第3話 足にとって「良い靴」はハードルが高い…!
良い靴の条件
足にとって「良い靴の条件」をご紹介いたします。
それは、
①足を外界から守ってくれる
②「立つ」「歩く」といった足のはたらきを助けてくれる
③靴が足を痛めない
という3点だといわれています。
具体的な靴の選び方について、この3つの条件に沿ってお話します。
3つの条件
①足を外界から守ってくれる
これは外気のもたらす寒さや暑さ、路面からの衝撃などから足を守ることなどを指します。
足が冷えやすいのに露出の多いサンダルを履いたり、足裏が痛いのに衝撃をほとんど吸収しないミュールやサンダルを履いたりするのは「足にとって良い」とは言えません。
足が冷えやすいのならブーツやハイカットの靴を、足裏が痛いのなら(根本的な原因にアプローチすることが先決ですが)クッション性の高いカジュアルシューズなどを選びましょう。
②「立つ」「歩く」といった足のはたらきを助けてくれる
「立つ」とは、脚をまっすぐに安定させることを指します。まっすぐに立てない「O脚」や「X脚」などは、様々な足のトラブルの原因となるだけではなく、膝や腰にまで負担を掛ける場合があるため、専用のインソールが内蔵された靴の使用をオススメします。
続いて「歩く」についてですが、靴にはまず、「靴の接地面が広く安定していること」が求められます。一見して履きやすそうな靴でも、接地面積の狭い不安定なものがあるので注意が必要です。
そして見落としてしまいがちですが、「足のかかと部分のサポート力」も重要です。
かかとは身体を支える土台であるため、グラグラと不安定な状態だと、バランスが崩れ、快適に歩くことができなくなってしまいます。
靴のかかとが型崩れしないように、ヒールカウンター(靴づくりの際に、かかとに使用する芯材のこと)がしっかり入っている靴がオススメです。また、足と靴のかかと部分の大きさが合っているかどうかも確認しましょう。
特定の靴を履いた時に、やたらとふらつく、よろける。かかとがパカパカするため靴の中で踏ん張ってしまう。
このようなことが起きているということは、靴が足に合っていない可能性が高いです。
合わない靴を履いていると、靴の中で足のゆびは正しい動きができておらず、重心の移動がうまくできません。そのため、ふらついたり、靴の中で踏ん張ってしまうのです。
足と靴のかかとがピッタリとフィットし、ゆび先には少し余裕がある靴を選ぶことで「立つ」「歩く」を快適にすることができます。
③靴が足を痛めない
特に注意を要するのが足骨格の痛み、つまり骨格変形によるトラブルです。つま先が細くヒールの高い靴が外反母趾など骨格変形の原因の一つとなることは良く知られていますよね。特に女性の足は男性に比べて骨格構造を支える、筋、腱などが弱いため、骨格が変形しやすく注意が必要です。
しかし、ファッション性を優先して、足の健康を無視した靴選びをするケースが多いのも事実です。一度骨格変形してしまった足は多くの場合簡単には治りません。さらに膝や腰のトラブルを招く原因ともなります。靴はとにかく足に合った物を選びましょう。
「かかとだけでなく、甲もしっかり固定でき、ゆび先には余裕があること」を基本に、実際に履いて、歩いて、確かめることが大切です。
また、「ゆびのつけ根の関節部分で、靴が自然に曲がること(靴が足に合わせて屈曲すること)」も意識して靴を選びましょう。足と靴で曲がる位置が違っていると前滑りなどの原因になってしまいます。
自分にとって良い靴とは?
「足にとって良い靴」の選び方についてご紹介いたしましたが、正直「ハードルが高い!」「お洒落な靴は履けないの?」「学校やスポーツ競技で指定された靴はどうすればいいの?」と感じた方も多いのではないでしょうか。
そこで活躍するのが「インソール」や「パッド」といった「フットケアアイテム」です。
次の「足と靴の話 第4話」では、「自分にとって良い靴」の条件についてお話しします。