【足と靴の話】意外と知らない、靴の中身
足と靴の話シリーズでは足と靴にまつわるお話をご紹介しています。
目次
意外と知らない、靴の中身
こんなパーツで靴は作られる
- アッパー(甲革)
- ボックストゥ(先芯)
- カウンター(月型)
- インソール(中底)
- アウトソール(本底)
- ヒール
- パッド
スニーカー、パンプス、サンダル、ドレスシューズ、ブーツなどなど……。
靴にはたくさんの種類がありますが、皆さんは“靴の中身”が何か知っていますか?
こう聞くとなんだかなぞなぞみたいですね笑
今回は身近すぎて意外と知らない靴のことを少し掘り下げたお話です。
意外と知らない、靴の中身
さて、普段履いている靴は何で作られていて、どんな“中身”なのでしょうか。
私は靴業界に就職するまで考えたこともありませんでした。
「布とか革でできていて、芯みたいなものが入っている」ぐらいのぼんやりとした認識だったのを覚えています。
靴の種類によって必要なパーツは異なりますが、今回はプレーンパンプスを例に“靴の中身”についてご紹介します。
こんなパーツで靴は作られる
プレーンパンプスは下の画像のように、複数の芯材と、アッパー(甲革)と呼ばれる革、ヒールを組み立てて作られます。
代表的なパーツと役割を見ていきましょう。
アッパー(製甲)
普段、最も目にすることの多いパーツがアッパー(製甲)。靴の“顔”ともいえるパーツで、外に出る表甲とこれを補強する裏甲からできています。
中敷(敷革)
靴の中に敷かれているパーツ。革や布など様々な素材が使われます。ブランドマークが刻印されることもあります。
ボックストゥ(先芯)
靴のつま先形状を保つための芯材です。アッパー(製甲)の表甲と裏甲の間に入っているため、外からは見えません。安全靴などの特殊な靴には強硬度の樹脂を使用することもあります。
カウンター(月型)
靴のかかと形状を保ち、また、歩く際に足を安定させる役割のある芯材です。アッパー(製甲)の表甲と裏甲の間に入っているため、外からは見えません。平らな状態では三日月型をしているため、月型(つきがた)とも呼ばれます。
インソール(中底)
一部の特殊な製法の靴を除くほぼすべての靴に使用されるパーツです。足裏にかかる体重を支える重要なパーツであるため、“靴の背骨“とも呼ばれます。
体重を支えられるくらいの強度が求められるため、“シャンク”という金属製のパーツが取り付けられています。
アウトソール(本底)
靴底と呼ばれるパーツです。ゴム製のアウトソール(本底)が一般的ですが、高級靴では革製のアウトソール(本底)が使用されることもあります。
ヒール
靴のかかと部分に取り付けられる支えのパーツです。高さ6cm以上をハイヒール、高さ3.5cmから5.5cm程度をミドルヒール、高さ2cmから3cm程度をローヒール、高さ1.5cmまでをフラットヒールと言います。
パッド
足当たりをよくするために使用されるパーツです。最近ではつま先やかかとにパッドが組み込まれている靴が珍しくありません。また、外国製の靴を日本人の足にフィットするようパッドで調整されている場合もあります。
靴はこれらのパーツを縫い合わせたり、接着剤で貼り合わせたりなどして組み立てます。女性靴も男性靴も芯材をアッパーでくるむという構造はほぼ同じです。靴の製法は語りつくせないほど多岐にわたるので別の機会に……。
靴づくりは複雑な工程が多くあり、全て機械で…というわけにはいきません。皆さんの靴も一度は職人さんの手を経て出来上がっています。
大切にしてあげてくださいね。
さて、今回ご紹介したパーツの多くは靴の中に組み込まれており、目にすることはまずありません。
しかし、どの靴にもいずれかのパーツが使われているはずです。
目には見えませんが、「縁の下の力持ち」ならぬ「靴の中の力持ち」として今日も皆さんの足を支えています。
実は、Shoesfit.comを運営する株式会社村井は、今回紹介したような靴パーツ製造を90年以上行っている会社です。
ボックストゥ(先芯)、カウンター(月型)、インソール(中底)、アウトソール(本底)、ラスト(木型)などを研究・企画・製造を行っています。
もしかすると、あなたのお気に入りの靴の中にも、私たちの製品が使われているかも。
皆さんの足とは、すでにお知り合いだったかも知れませんね。
靴を履くときに、「このパーツがここを支えているんだ!」なんて思っていただけると嬉しいです。
ちなみに弊社の新人研修では実際にプレーンパンプスを作り靴の構造を学びます。その際の体験レポもありますので是非ご一読ください。